やんちゃんこ2つのブログ

くすりの話

17回目 【インフルエンザウイルスに効く薬】

2020年09月04日

 

 新型コロナウイルスが生活を大きく変化させており、特効薬がないこともご存知と思います。一部のウイルスに対する薬は存在します。抗生物質は細菌には効果を発揮しますが、ウイルスには効きません。同じような症状でも、原因が細菌かウイルスかを見極めることが大切なのです。
インフルエンザウイルスにはタミフル(内服)、リレンザ(吸入)、イナビル(吸入)、ラピアクタ(注射)という4種類の薬があり、インフルエンザと診断されると処方されます。この薬は、ウイルスを直接攻撃する作用はなく、細胞の中で増えたウイルスが外にでないようにして症状の悪化を防ぎます。新しくゾフルーザ(内服)が登場しました。これは細胞の中でウイルスが増えないようにするお薬です。
インフルエンザウイルス感染症予防に対しては、ワクチンもあります。13歳未満は2回接種する必要があり、10月に1回、11月に1回接種できるといいですね。
 新型コロナウイルス感染症予防に対して、マスクの着用、手洗い、社会的距離の確保をお願いしています。これは多くの感染症に有効な手段です。また、ウイルス感染症を治癒させるのは、自分自身がもつ免疫力です。免疫力を上げるには、良質の睡眠と、栄養バランスのとれた食事、適度な運動です。あと、笑顔が免疫力アップさせますよ。
(薬剤師 中野洋子)